未消化の呪詛

ぜーんぶ、ぜんぶ無駄だったのだなと絶望感の中で暮らしている。離婚についてはもちろんお互いに価値観の違いがあったことは否めないしだったらそりゃ一緒には居られないよねってんで原因としては納得出来てるけど、だからといって他に好きな人作っていい訳じゃないしその前段階で警告くらいはして欲しかったし、妻を同居人として扱うならそう報告して欲しかったしていうか同居人だとしても空気のように扱っていい訳じゃないからな?ただ夫が、「まことのことは人間としては好きだし自分の発達に関しても尽くしてくれたことは有難いしそのおかげで今の自分があるしまことだって家事もそれ以外も頑張っていたのは認めているよ。それでもやっぱり自分にはセックスが必要不可欠だから、それがどうしても叶わないのならやっぱり一緒には居られない」、そう言ってくれさえすればすべてが丸く収まるんだよクソ。丸く、まるーくお互い憎まずに離婚出来たんだよ。でも夫は、すべてまことが悪い、セックスに関してだって自分は努力したのにそれを受け入れなかったのはまことだろ、自分はこうするしかなかったんだ、別に教習生とライン交換して出掛けたって何もしないんだからいいじゃん、そもそも盗み聞きする方が人としてどうなの?、ADHDだから性欲が我慢出来ないんだ仕方ないだろ、ていうかADHDが酷くなったのはまことと結婚してストレスフルになったからだ、セックスに関しては誰に話したってそれはお前が辛すぎるって言われるよ男はそういうもんだよ、だからまことが悪いんだろ、って言うばかりで何も円満に解決する気がなくよくそれで落ち着いて話し合いがしたいって言うわたしに対してじゃあいい加減帰ってくれば?なんて言えるな。絶対わたしに刺されるやつだよ自分が刺される筈がないって思ってるそのメンタルマジで凄い。

わたしたちは最初からボタンを掛け違えていたし何とか軌道修正しようと奮闘してきたけど結局叶わなくてそれでも相手への誠意があればせめて円満離婚が出来たんじゃないかってずーっと、ずーっと考えている。離婚に関してはいいんだよ、お互い大切にしていたものが違ったね、お互いに叶え合えない望みならもう一度お互い努力するか諦めるか離れるかしかない、どの選択肢を取るのかってだけだもの。でも結局離婚の決め手になったのって夫が繁忙期終わりに教習生とライン交換して心移りしてたやつだしそんでバレたら開き直るし挙げ句の果てにはこの冷却期間を自分はもう離婚するって決めてるのにまことがずっと待たせてるんだろとか言うしえっお前本当に夫婦の責任とか結婚の重みとか何もないんかよって思ってそりゃ殺意も湧きますわ。
浮気してもいいけどとにかくわたしにバレるな、わたしはまだセックスが出来ない段階にいるから外のお店でしてきてくれてもいいお金は家計から出したらいいとも言ってあって、それでも自分は好きな人としたいただヤレればいいとかそういうことを求めているんじゃないと言っていた彼は教習生とラインを交換しカメラとマイクの付いている自動給餌器の前で彼氏持ちのその教習生と電話をし、わたしとの顛末を彼女へすべて報告し、一度ラインをブロックされると不安になり彼女の働く店まで行きブロックを解除してもらい、休みの日を送るから出掛けたりしようと誘い、自分は逃げ癖があるからそれは何とかしなくちゃいけないだから君と一緒にいたいんだと理解不能なことを言い、そしてわたしはその全てを聞いてしまいはらわたが煮えくり返っている訳です猛烈な殺意がある。というかすごい勢いで自分が坂を転がり落ちていることに気付いていないのがすごい、怖い。きっと離婚することで自分には何か得るものがあるのだと彼は思っているのだろうな。少なくとも社会的信用度は確実に失うと思うんですが。

自分はADHDだから仕方ないんだって開き直ってしまうやつは一番ダメなやつだとわたしは思っていて、自分はADHDだからじゃあどうしたらいいんだろう何が足りないんだろうどんな方法を取れば人生が円満に進むんだろうってそう考えないと本当に周りから人が消えていくと思うんだよね。特にわたしは小さい頃からなんで自分は人と違うんだろう何が足りないんだろうってずーっと自分の中を見つめる癖があるから本当に開き直ってしまう夫がわからなくて夫を病院に繋げたの間違いだったかなぁとかもう本当に全てがわからない。夫が持っているコンプレックス(走り方が人と違うとか本が読めないとか書く文章が小学生の作文みたいだとか忘れ物が多いだとか)はまぁ多分発達障害から来るものだろうなと思うんだけどいつまで経っても彼の中ではコンプレックスとして処理され続けるものでしかなくて、それってしんどくないかと思ってわたしが何度伝えてもまぁ無駄でしたので本人が気付くまでずーっとしんどいままなのだろうなと思う。彼はわたしを下に見るんだけどそれはわたしが彼の中で障害者として扱われてるからだと思っていて、まぁ無意識に差別しているししたら彼は自分のことを軽度ADHD当事者とはきっと思っていなくて自分は普通だけどまことは障害者って無意識的にしろ見ているんだとしたらえっ君ともうちょっと自分のこと知った方が良いよ…ってなんだかかわいそうになってしまう。自分は会社から正当な評価をされない!って彼の言葉の節々から不満が見えるんだけど、いやきっとそれは君の能力値というかもちろんADHDも関連してるのだから自分の得意不得意を知ればまた違ったアプローチが出来るよ今の君に対しての会社の評価は当然のものだと思うけど…なんてどれだけわたしが思ったところで全部無駄なんだけど。それでも彼はずっと定型発達に埋もれながらADHDを抱えて生きてきて、誰に見つけてもらえもせずずっと自分は否定されていると思い続け実家でも社会でも結婚した先でも認めてもらえない、否定されてばかりと思い続けもしかしたらこのまま一生満ち足りた気持ちになることがないまま人生を終えるのかもと思うと、本当にただ、可愛そうな人だなと思うばかりになってしまう。

こうやってわたしと夫を客観的に、俯瞰的に見ることでしか救いがなくて、占い師とか目指したらちょっといい線いくんじゃないの?とかすぐ現実逃避に向かいがち。ちょっと自分に目を向けてしまうと就職とかアパート探しとか家事と仕事の両立への不安とかそもそも一度も正社員として働いたことないよみんな仕事仕事っていうけど会社っていう建物の中でどんなことしてるの?とかいつまでも親に甘えていられないしというか27歳にもなって完全に自立したことがないのかすごいクソみたいじゃんなんでわたしはこうなんだみんなと一緒が良かったなんでわたしは発達障害ってものを抱えることになったんだなんでわたし?みんな違うじゃん?いや定型発達のひとたちだって悩みあるのわかるし大変なのもわかるけどじゃあわたしのしんどさとか悩みとかと比べた時にわたしは自分の悩みとかしんどさよりみんなが持ってるやつがいいから交換してよって思うんだよってどんどん深みへハマって鬱々と死にたくなるのでもう誰も幸せになれない。みんなしんどいのはわかってるし自分の言ってることがすごい不躾で人生に対しても不誠実なのはわかってるよ…でもやっぱりわたしもみんなと同じスタートラインが良かったし立ってるステージが人より低いって大変だからその大変さを生まれ持ってるってどれだけ人生は不平等なんだと叫び出したくなってしまうんだよ。ADHDを抱えてきた夫と結婚したことで、ああわたしはこの人の痛みをわかるためにこの形で生まれてきたのだと納得していたわたしは今無残にも殺されてしまってまた胸の中がざわざと不安で満ちてしまっていますだってそうだろ離婚かぁしんどい。

優しかった夫はいつ死んだんだろうと考えた時に、そういえば結婚後にしてきた喧嘩で彼は一度も、もう一回ちゃんと頑張りたいと言わなくなったなと思い当たって、そうか優しかった彼はあの結婚式の日に死んだのだと思ってなんとも言えない気持ちになった。始まりの日、ちゃんと仲直りして迎えた結婚式のあの日、二人で生きていこうと誓ったあの日に優しかった彼は死んだのだ。わたしが彼を殺したのならあの時の彼はわたしだけのものになると思っていたけど母にあなたが殺した訳じゃない、彼自身が自ら変わったんだ、他に優しくしたい人が出来れば元の優しい彼がまた現れる、優しい彼はただの仮面だったのだとぶった切られ本当に救いがない。どれだけ綺麗な思い出にしたくても容赦なく母が現実を突き付けてくるのでしかしそれもまた母の優しさなのだ。まことさんはきっとちゃんと彼のことが好きだったんだよ、今でも好きでしょう?だから綺麗なままにしておきたいしまだ執着してしまうんだよ。わたしが夫に対して好意と思っている気持ちはただの支配欲、コントロール欲なのではと話してから、母はいつでもこんこんとわたしの夫に対する気持ちを「好き」という名前で話してくれる。好きだったのかなぁ。そうだといいなぁ。今の彼に関してはそりゃあもう殺意しかないけれどそれでも優しかった彼は確かにいたのだし、今はもうただ心の仏壇にそっと手を合わせていくしかない。仏壇にいるその彼はわたしだけのものではないようだけど。

何とかして自分を救いたいわたしはみっともなく、毎日ずっと同じことを考えている。どうしたら良かったのか、どうすればこうはならなかったのか、わたしの何がいけなかったのか、わたしになにが足りなかったのか。母も友人も、まことさんは頑張っていたよと言ってくれる。結婚は決して一人では出来ないのだ。街を歩く夫婦を何組見ても、羨ましさが消えることはない。わたしも彼とああなりたかったし、彼もきっとそうだろう。でもお互い手を取り合うことが出来なかったし立っているところも違っていた。こうやってまた美談にしようとするのは本当に悪い癖だ。どれだけ救いがなくたってそれが現実なのだから、今はもう離れた彼の心を憎みながら歩いて行くしかないというのに。