雨の音で目が覚める

当事者研究、たまに呪詛

こちら、無料で乗れる特別なジェットコースターで御座います

どん底にいるようだ。自分が何のために存在しているのか、また分からなくなっている。規則正しい生活をしているが、そろそろ限界が近付いているのが手に取るようにわかる。全ては生理前の不調のせいだ。

 

この不調に終わりが来るのはわかっている。生理が始まれば落ち込みは続くものの少し気分は良くなってくる。痛みに耐えればその先は明るい事を経験から知っているからだ。生理が終わればハッピーな一週間の始まり。尻を叩かれるように外に出て、今まで出来なかったことを手当り次第に試していく。その中には焦りがある。リミットは一週間しかないからだ。ハッピーな一週間などあっという間に終わってしまう。何故だか気分が優れない日が続き、次第にミスが増え眠れなくなり怒りっぽくなる。夫に当たり、自分を怨み、癇癪を起こしては家を飛び出す。気付けば生後前の不調の最中にいるのだ。

 

何のための一ヶ月なんだ?何のためにわたしはこのジェットコースターに乗り続けている?

 

出来ることは限られている。治療だってたくさん試したが効果はない。金と気力がなくなるだけだ。何のための時間、何のための毎日、何のための人生。

 

結婚し両親から離れた。今まで本当にたくさんの迷惑や援助をしてもらった。結婚することで、両親に恩返しが出来ると思った。わたしは一人では生きていけない、満足に金を稼ぐことが出来ないからだ。自分一人も養えない。夫はそんなわたしと一緒になってくれた、専業主婦で良いと言ってくれた。わたしは夫に何が出来る、金食い虫のわたしに、恐ろしいスピードで走るジェットコースターに乗り続けるわたしに何が出来る。

 

両親に恩返しなどとんでもなかったのだと気付く。挙式が終わって三ヶ月、見ない振り気付かない振りをしてきたが、今足元には暗闇が広がっている。依存先が変わっただけ、寄生先が変わっただけだ。

 

生まれてこなければ良かった、すぐそんなことを思う。なんの解決にもならない自己叱責ばかりを繰り返し己を嫌い己を怨み、それが周囲を傷付けるとわたしは昔気付いたはずなのに。

 

無料で乗れる特別なジェットコースターは一度乗ったら降りることは出来ない。常に激しく揺さぶられ、緩やかなスピードになるのはほんの少しの間だけ。周囲の声は届かない、風の音しか聞こえない、自分の悲鳴も聞こえない。涙は際限なく溢れる、手元もろくに見えない、止めてくれとどれだけ叫んでも呼吸が苦しくなるだけだ。周りの人は楽しそうに歩いている、いいな、わたしもここから降りてゆったり歩きたい、楽しみたい。いつになったら叶うのか、どれだけ耐えれば全てが終わるのか。何のためにわたしはこんな苦しい思いを辛い思いをしているのか。

 

今はまだ、周囲を傷付けることしか出来ていない。